忘れられない避難訓練
今回は少々似つかわしくない、大変シリアスなお話です。
誰しも学生時代に定期的に避難訓練をしたと思いますが、
そのことをよく覚えている人はなかなか少ないと思います。
私もそのほとんどは覚えていないのですが、
一つだけ忘れられない内容の避難訓練があります。
それは私がアメリカで高校生だった頃。
銃乱射事件が起こった時の避難訓練がありました。
当時、他州の高校で銃乱射事件が起こったことが
この避難訓練の背景にあったと思います。
そして、それは自分が通っている高校で起こる可能性も
決して否定できないものでした。
その時の設定は
「麻薬でラリった人がキャンパスに入り込んで銃を乱射している」
でした。
避難方法は窓から離れ、机の下に隠れ、
教室の内鍵をかけて事態が収まるまで身を潜める。
そして万が一、内鍵が何らかの理由でかけられない場合は、
先生がドアの外に座り込み、
生徒が一人代表でドアの裏側に座り込む。
その理由は、大人の体、一人分が倒れるとかなり重いから。
先生一人の犠牲で中の生徒全員を守れる可能性が高いから。
その当時の先生は明るい調子で
「もし鍵がかからなかったら誰が外に出ると思う?」
「私よ♡」
と言っていましたが(もちろん英語で)
すんごいブルーな気持ちになったことを鮮明に思い出します。
この避難訓練は私にとっては本当に衝撃的で、
だからこそ15年経った今でも内容の詳細を覚えています。
あの時、若くて可愛らしい感じだった化学の先生、今どうしてるかな。
化学に関係ない楽しい話も悲しい話も色々してくれた、
楽しい素敵な先生だったな。
この話はいずれ書こうと思っていたネタだったんですが、
フロリダ州の痛ましい銃乱射事件を受け、
今がそのタイミングじゃないかなと思い、書き記しました。
とても悲しいことですが、
被害に遭われてしまった方々に
心よりご冥福をお祈りし、
その家族、友人、同僚の方々に
心よりお悔やみを申し上げます。
そして、怪我をしてしまった方々の
早期の回復を心から願っております。
世界のどこであっても、
銃乱射事件の避難訓練なんてしなくてもいいような
社会になってほしいと心の底から思っています。